5月31日は年に一度の世界禁煙デー、世界保健機関(WHO)が制定した禁煙を推進するための記念日です。この世界禁煙デーにちなんで、中国喫煙抑制協会(中国控制吸煙協会)は今年も「汚い灰皿賞」を発表しました。
 汚い灰皿賞」とは、中国喫煙抑制協会が映画とドラマの人気ランキング上位30作品を対象に、作中の喫煙シーンを調査し、喫煙シーンが最も多かった作品に与える賞の名前。2011年から毎年実施されてきました。「賞」とついてはいますが、決して讃える目的で設立されたわけではなさそうですね。

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鵞鳥湖の夜(原題:南方車站的聚会)

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反恐特戦隊之天狼

 最新2019年度の「汚い灰皿賞」は、映画部門は2019年5月開催のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された話題の中国映画『鵞鳥湖の夜(原題:南方車站的聚会)』、ドラマ部門は戦争アクション大作『反恐特戦隊之天狼』に決定しました。
 対して2019年度の『無煙映像賞(喫煙シーンのなかった話題作)』は、映画部門では呉京(ウー・ジン)主演作『攀登者(The Climbers)』や香港の汚職捜査機関「ICAC(廉政公署)」の活躍を描くサスペンス・シリーズ『反貪風暴』の第4弾『反貪風暴4(P Storm)』、香港の文偉鴻(マン・ワイフン)監督の話題作『使徒行者(ダブル・サスペクト 疑惑の潜入捜査官)』の3年ぶりとなる続編『使徒行者2:諜影行動 (Line Walker 2)』、葛優(グォ・ヨウ)と趙薇(ヴィッキー・チャオ)が主演を務める『両只老虎(Two Tigers)』、中国版『イタズラなKiss』である『一吻定情』、鹿晗(ルー・ハン)主演による滕華濤(テン・ホァータオ)監督のSF映画『上海堡塁(Shanghai Fortress)』、元カノ・元カレをテーマにしたラブコメシリーズ「前任」を彷彿とさせる恋愛映画『下一任:前任 (Passed By)』、同じく香港の廉政公署の活動を描いた犯罪サスペンス『廉政風雲(Integrity)』の8作品に、ドラマ部門では李現(リー・シェン)主演の恋愛ドラマ『親愛的,熱愛的』や、麻薬取締の戦いをリアルに再現したドラマ「破氷行動」など12作品に決定しました。
 中国喫煙抑制協会によれば、2007年の調査結果と比べ、この10数年の間、喫煙シーンを取り入れた映画やドラマの作品数は減少傾向にあり、2019年は映画では15.5%減、ドラマでは33%減となっているということです。同時に、喫煙シーンのない作品が増え、ドラマは映画より禁煙を徹底していることもわかりました。一方で、1作品ごとの喫煙シーンの数も減少傾向にあり、映画では23.7%減で、ドラマでは63.5%と大幅に減少しているということです。(ミン・イヒョウ 謙)