新型コロナウイルス肺炎の感染拡大で世界の関心を集めた中国・湖北省。1月23日に世界で最初にロックダウンを実施した省都・武漢市で4月8日、実に2ヶ月半ぶりに封鎖措置が解除されました。これに伴い、全省の封鎖もすべて解除され、省内は徐々に日常を取り戻しています。
 旅行に行けるのはまだ先になりそうですが、映画を通して湖北省の魅力を感じることならできます!この特別企画では、湖北省内各地でロケが行われた映画作品をご紹介します。

File 4 空海-KU-KAI-美しき王妃の謎(原題:妖猫伝)
~ロケ地:湖北省襄陽市~

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公開日:2017年12月22日
監督:陳凱歌(チェン・カイコー)
主演:染谷将太 黄軒(ホァン・シュアン) 張雨綺(キティ・チャン) 阿部寛 秦昊(チン・ハオ)

 2017年に陳凱歌(チェン・カイコー)監督が手掛けた話題の中日合作映画『空海-KU-KAI-美しき王妃の謎(原題:妖猫伝)』。原作は、『エヴェレスト 神々の山嶺』や『陰陽師』など、多数の著書が映像化されてきたベストセラー作家・夢枕獏の『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』。7世紀の中国唐代を舞台に、遣唐使として中国に渡った若き日の空海と、友人であり天才詩人の白楽天が、共に一連の事件を探る中でやがて歴史が生み出した巨大な謎と対峙するという物語です。
 2011年から6年かけて温められてきた本作は、総製作費150億円、スタッフ1000人を動員するなど日中共同制作の映画としては史上最大規模のプロジェクトとなりました。日本では2018年2月24日に東宝とKADOKAWAの初の共同配給として一般公開されました。

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撮影現場

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映画のスチール

 この映画のロケ地となったのは、湖北省の襄陽市です。襄陽には漢江の重要な内陸河川港があり、後漢末期に孫堅軍と劉表軍が戦い、孫堅が命を落とした「襄陽の戦い」でも知られる町です。映画に登場した豪華絢爛な唐代の「長安城」は、実はこの町で6年間をかけて建てたセットです。また、城内に湖を再現するため、漢江の水をそのままセットの中に引き入れたそうです。
 撮影後、この長安城は観光地として襄陽市に残されることになりました。古代の剣豪小説の舞台としても知られる襄陽は、昔から仁義を重んじる町としてのイメージが強いため、この土地に建てられた唐の城からは歴史の深みが感じられる気がしますね。(ミン・イヒョウ 謙)