新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るう2020年、通常の開催は断念しながらもオンラインでのバーチャル開催を敢行するカンヌ国際映画祭に注目が集まっています。慣例では5月に開催されたはずのカンヌ国際映画祭ですが、今年は部門の区別や最高賞であるパルム・ドールの選出はせずに「CANNES 2020」というイベントとして6月下旬に開催される予定です。

 この「CANNES 2020」に登場する中国映画は、洪金寶(サモ・ハン・キンポー)、許鞍華(アン・ホイ)、譚家明(パトリック・タム)、袁和平(ユエン・ウーピン)、徐克(ツイ・ハーク)、林岭東(リンゴ・ラム)、杜琪峯(ジョニー・トー)といった7人の香港の大御所がタッグを組んだ『七人楽隊(Septet:The Story of Hong kong)』と、新鋭監督・魏書鈞(ウェイ・シュージュン)の最新作『野馬分鬃(Striding into the Wind)』の2作品となっています。

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『七人楽隊(Septet:The Story of Hong kong)』

 『七人楽隊(Septet:The Story of Hong kong)』は、杜琪峯(ジョニー・トー)監督が発案し、香港映画の黄金時代を生き抜いた6人の監督と共に送り出すオムニバス映画。全収録作品をあえてフィルムで撮影し、デジタルに取って代われないフィルムの良さを演出しながら、過去へのノスタルジーを込めたセンチメンタルな作品に仕上がっています。タイトルどおり、7人の監督はまさに7人組バンドのメンバーのようで、それぞれの持ち味を生かして同じ「楽曲」を紡ぎだしています。主演は洪天明(ティミー・ハン)、呉鎮宇(フランシス・ン)、馬賽(サイア・マ)、余香凝(ジェニファー・ユ)、元華(ユン・ワー)など。

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『野馬分鬃(Striding into the Wind)』

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『野馬分鬃(Striding into the Wind)』のスタッフ&キャスト

 一方、新作『野馬分鬃(Striding into the Wind)』でメガホンを取っている魏書鈞(ウェイ・シュージュン)は、14歳に俳優デビューし、2016年に初監督作品『浮世千(Duck Neck)』を釜山国際映画祭「アジア映画の窓」監督部門に出品。2018年に、短編映画『延辺少年(On the Border)』が第71回カンヌ国際映画祭短編部門の特別話題賞を受賞。魏書鈞(ウェイ・シュージュン)が監督と脚本を担当するこの新作『野馬分鬃(Striding into the Wind)』は、2人の少年が中古車に乗って旅する物語で、周遊(ジョウ・ユー)と鄭英辰(ジェン・インチェン)らが主演を務めています。(ミン・イヒョウ 謙)