1978年に発足した中国の改革開放。それから40年の間に、中国映画には体制面から制作面まで、様々な変革が起こってきました。この40年の歳月は、中国映画の発展史ともいえるでしょう。その歴史の中で、変革の証として時代の変遷や幾多の盛衰を記してきたのが、「映画ポスター」です。ここで、その色あせることない異彩の数々をご紹介しましょう。

【中国エンタメ×改革開放40周年スペシャル企画】映画ポスターで分かる中国改革開放40年~2013→2017~

 2013年、王家衛(ウォン・カーウァイ)監督が10年かけて制作した『グランド・マスター(原題: 一代宗師)』が大陸で公開を実現。興行収入は2.87億元に達し、王監督自身の最高記録を更新しました。また、同年に王監督は第63回ベルリン国際映画祭の審査委員長を務め、映画祭のオープニング作品としても、この『グランド・マスター』が上映されました。同年の香港アカデミー=金像奨では主要12部門制覇といった快挙も達成。

【中国エンタメ×改革開放40周年スペシャル企画】映画ポスターで分かる中国改革開放40年~2013→2017~

 小説家の映画監督デビューが注目されたのも2013年。中でも、ベストセラー作家、郭敬明(グオ・ジンミン)が自らの小説を映画化した初監督作品『小時代(Tiny Times)』は大ヒットを記録しました。友情、恋愛、家族愛などをテーマに、大学卒業を控える4人の女子大生の生き方を描いたストーリーで、中国社会の世相や若者の群像に注目した作品として話題となりました。

【中国エンタメ×改革開放40周年スペシャル企画】映画ポスターで分かる中国改革開放40年~2013→2017~

 刁亦男(ディアオ・イーナン)監督の『薄氷の殺人(原題:白日焔火)が2014年の第64回ベルリン国際映画祭で金熊賞と銀熊賞の2冠を達成。内訳は、最高賞にあたる金熊賞(作品賞)と、主演俳優の廖凡(リャオ・ファン)による、最優秀男優賞の銀熊賞の受賞です。中国人俳優が同賞に選ばれたのは、史上初でした。中国北部の小さな町を舞台に、元刑事が連続殺人を追うサスペンス映画が、世界三大映画祭のひとつであるベルリン国際映画祭でW受賞を果たしたことは、世界的にも大変注目されました。